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■Prologue

『南方英雄譚』
ハイディロード大陸で実際に起きた魔物災害と、それに立ち向かう4人の若者達が“英雄”になるまでを綴った叙事詩だ。

その昔、ハイディロード大陸はある災厄に見舞われた。
魔物の長とも言うべき存在が突如ヒトの領域に干渉し、制圧する―――
魔物の大陸支配、である。
人々は支配から解放させんと、魔王の城へ向かった。
しかし魔王を倒す者はおろか、一人として城から生きて帰って来た者はいなかったという。
そして数年が過ぎ、ヒトも国も大陸も疲弊し絶望しきっていた頃、どこからか、4人の若者が一つの場所に集まった。

幼少の頃から剣の修行を怠った事がないという、腕自慢の大剣士。
一族から異端と呼ばれ蔑まれながら生きてきた、人の姿をした戦士。
この大陸を手にせんとする他の大陸から送り込まれてきたらしい、外の国の諜報員。
人を癒し傷付ける、相反する己の意思に苦しみながら戦う、二つの顔を持つ僧侶。

彼らは大勢のヒトの希望を背負い、精霊達の加護を受け、伝説の武器の力を以て、魔王を滅ぼした。と同時に4人はハイディロード大陸の“英雄”となった―――。

『南方英雄譚』
何度も何度も読み返す。
私はこの物語が大好きだ。
どうしたら、この物語のようになれるのだろうか。

私は…、憧れていた。
憧れていた、だけなのだ。

© MIZUKI KYUMA

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